こんにちは!あんころです!
救急外来でよく見かけるのが頭部外傷
今日は誰でも起こりえる頭部外傷についてお話しします
夜の散歩、朝のウォーキング、早朝・夜間のトイレで転倒・・・
昼間だとお友達とぶつかって、兄弟喧嘩して転倒したり、壁に頭をぶつけたり・・・
昼夜とわず交通外傷で頭を打った・・・
他にも色々な原因はありますが、頭部外傷で救急外来にこられる方は多いです
頭は頭蓋骨で守られてますが、頭を打って恐い病気もあるのでしっかり理解しましょう!
頭部外傷とは?
頭部外傷とは、頭に外から力が加わることで頭の皮膚、頭蓋骨、脳の損傷を来すことです
頭を打つとほとんどの方がたんこぶ(皮下血腫)ができ、皮膚が深く裂けている場合もあります(頭部裂創あるいは切創)
強い衝撃をうけると頭蓋骨骨折や脳震盪や脳挫傷といった重大な病状に繋がる恐れがあります
頭の皮膚は血流が良いことと、突っ張っている特性から出血しやすく頭を打って受診された方は大体顔の方まで流血してます
軽症の打撲は皮膚の中に出血するため、徐々に吸収され自然に治ります
重症になると血腫が徐々に大きくなり、脳を圧迫し、様々な症状が起こります
こうなると緊急で手術をする可能性が高くなるため症状の経過を観察しておくことは大切です
頭部外傷で怖いのは?
頭蓋内の損傷が最も注意が必要です。
皮下血腫や裂創はまずは圧迫止血をしましょう!
発想が大きければ縫合をして経過観察となります
頭蓋骨骨折も脳に損傷がなければ大体が経過観察となります
頭蓋内損傷で怖いのは頭蓋内出血です。頭蓋内とは頭蓋骨より内側にある部分で、硬膜・くも膜・軟膜の3枚の膜があり、この膜の中や脳内で出血を伴うのが頭蓋内出血です
頭蓋内出血の種類について
①硬膜外出血
頭蓋骨と硬膜の間に起こす出血
多くは頭を打った直下に骨折と伴に出現する
硬膜を栄養する動脈や硬膜内を流れる静脈太い静脈が損傷して出血を起こす
受傷直後に意識消失する事が多く、意識が改善しても出血が広がると再度意識消失する恐れがある
10歳以下の子供は後頭部を打撲して起こすことがあるので注意が必要
②硬膜下出血
硬膜とくも膜の間に出血する
脳表の動静脈が損傷することで出血を起こす
頭を打った直下だけでなく、対側に出現したりや脳の損傷もきたす
硬膜外血腫より予後不良です
③(外傷性)くも膜下出血
くも膜の下やくも膜下腔に出血する
④脳内出血
脳挫傷に伴って起こる
直接的な血管損傷や外傷性動脈瘤破裂なども原因
抗血栓治療薬や血液凝固異常がある方は注意
上記の疾患は頭を打ってすぐに起こる事が多いですが、まれに数時間から数日経ってから起こる事もあります
高齢者の方では1〜3ヶ月遅れて起こってくることもあります
頭蓋内の出血では治療が遅れると命に関わる危険があり、出血の程度によっては緊急手術を含む適切な治療が必要です
CTや診察上異常が無くても後から出血が起こる可能性があるため、症状や状態を観察していくことはとても大切です!
このような症状があれば注意しよう!
・頭痛が段々増強する
・顔色が悪い
・吐き気や嘔吐がある
・手足のしびれが出現する
・力が入らない
・物が二重に見える
・ひきつけ(けいれん)が起きた
・話が通じない
・ぼんやりしている
・見当外れの事をいう
・ひどく汗をかく
・異常に暴れる
・息づかいが荒い
・声かけに目覚めてもすぐに眠る又声かけに目覚めない
・物忘れ
・性格の変化
・異常行動
・認知機能の低下
また、2歳未満では5秒以上の意識消失・前頭部以外の皮下血腫・親から見て普通ではないと判断した場合はすぐに病院受診(状況によっては救急車で)しましょう!
救急外来には高齢者の転倒や不慮の事故で運ばれてくる頭部外傷が多いです
日々の暮らしの中で誰にでも起こる事なので気をつけましょう🙂